SKETCH SHOW(高橋幸宏&細野晴臣)のアルバム「Audio Sponge」のリリースが9月19日発売と決まった現在、リリース前に少し予習を兼ねて、これまでの動きを振り返ってみたいと思います。
2001年のThe Beatniksのリリース前後に行われた幸宏さんのインタビューでは、幸宏さんのソロアルバムに細野さんが参加することになっていました。
YENレーベルをお二人でやっていた頃から何度となくお二人ユニットを組む話は
していたものの、その度に頓挫していました。
しかし、細野さんが再びシーナ&ロケッツのレコーディングに参加したり、久保田真琴さんとのハリー&マックやったり、ティンパンの復活など、近年にないくらい精力的に活動されている様を見て、ユニットへと発展していったのかもしれません。
2001年10月16日 レコーディング開始。
デイジーワールド/ミディアムのオフィスで打ち合わせをし、翌週からスタジオに入る。以降週に一日程度のペースでプリ・プロダクションの作業に入る。
この頃は小坂忠さんのアルバム「People」のレコーディングや、12月のコンサートなどもあり、スローペースでの進行。
2001年12月中旬 デイジーワールドとカッティング・エッジが契約を締結。
最初にレコーディングしたのがサークル(The Cyrkle)の「Turn Down Day」。
2002年1月6日 「daisyworld」(収録は12月中?)
2002年3月いっぱいまでJ-WAVEで放送されていた細野さんの番組「daisyworld」に幸宏さんをゲストに迎えての対談。
ユニット名の話題にアルバムタイトル「Audio Sponge」の元になっている「Human Audio Sponge」という案も出てくる。ほかにGYM(Great YMO Member)、「ボディコンシャス」、「スパッツ」など。
2002年2月15日 ユニット名発表。
デイジーワールド公式サイトにてユニット名が「SKETCH SHOW」と発表される。
2002年3月8日 SKETCH SHOWとして登場。
細野さんのレーベルDaisyworld Discsの業界向けコンベンションにて初めてSKETCH SHOWとして登場。
2002年4月3日 Daisyworld Discsのcompilation CD「Strange Flowers」発売。
スネークマンショーのカヴァー「ごきげんいかが1・2・3」が収録。
2002年4月8〜11日 伊豆にて歌詞合宿
4月の始め、長いプリ・プロダクションを経て曲が出揃い、伊豆にて歌詞合宿を行った。
スムース・エースのメンバーがコーラスで参加している「砂の上のウィルソン」、テイ・トウワさんがミックスを担当した「Turn Turn」と今回不採用の曲の3曲の歌詞が完成した。
2002年4月25日 DJパーティー
細野さんは、坂本龍一さんに誘われてDJパーティーに参加。
SKETCH SHOWのトラックを使った曲やCold Cutのためのリミックス曲なども流す。
2002年GW 歌入れ
細野さんは歌入れのためスタジオにこもる。その合間を縫って別件の仕事をこなす。
2002年6月2日 レコーディングは佳境へ
細野さんの新しいラジオ番組「Daisy Holiday」にて、歌入れが終了し、ミックスのみ。あと1曲歌詞ができていないとコメント
2002年6月3日 「WIRE 02」に出演が発表される。
8月31日に行われる石野卓球さんのオーガナイズによるレイヴイベント『WIRE 02』にSKETCH SHOWのゲスト出演が発表される。
2002年6月25日 「Turn Down Day」
Daisyworld Discsの公式サイトにてサークル(The Cyrkle)の「Turn Down Day」が収録されることが発表される。
2002年7月5日 「リトルモア」のインタビュー。
この日発売の雑誌「リトルモア」にて坂本龍一さんが2曲参加していること、「砂の上のウィルソン」、Percy Faithのカヴァー「夏の日の恋」、テイ・トウワさんがミックスを手掛ける「Turn Turn」が収録されることが判明。
2002年8月9日 「DAISYWORLD*DISCS PRESENTS "ストレンジ・ナイト -vol.1-"」出演予定。
12月に単独ライブがあることを発表。
下記の5曲を演奏。
「Turn Turn」
「Wonderfull To Me」スペシャルゲストとして教授が出演。
「Do You Want Marry Me」
「Theme From A Summer Place」
「Return」
サポートはマニュピュレーターとしてインテンツィオ所属の権藤知彦さんが出演。映像はディジーワールドよりデビューした高木正勝さん。
現状判明していることをもう一度整理します。
アルバム収録予定曲数は11曲だったようですが、最終的に12曲になったそうです。
その内2曲の作曲に坂本龍一さんが参加。テイ・トウワさんが1曲ミックスで参加。
ほかにGoh Hotodaさん、スムース・エースのメンバーなどが参加しているそうです。
収録予定曲は
「ごきげんいかが1・2・3」スネークマンショーのカヴァー
「Turn Down Day」サークル(The Cyrkle)のカヴァーで、※最初にレコーディングした曲
「夏の日の恋(Theme from A Summer Place)」映画「避暑地の出来事」の主題歌
「砂の上のウィルソン」ビーチボーイズ風。スムース・エースのメンバーがコーラスで参加している。
「Turn Turn」テイ・トウワさんがミックスを担当
「Wonderfull To Me」教授が参加。
「Do You Want To Marry Me」Michel Magne作曲のカヴァー曲
「Return」「Turn Turn」を元にしてつくられた曲で「WIRE 02」のコンピュレーションアルバムに収録されて8月21日に発売予定。
以上8曲ほか全12曲である。
さらに.....
※The Cyrkle
The Cyrkleはニューヨークのエージェント、ナット・ワイスに見いだされてコロムビアと契約。このナット・ワイスは Brian Epstein (The Beatles のマネージャー)の友人であった。ナット・ワイスはブライアン・エプスタインを通じて John Lennon にバンド名を考えてもらうように依頼。そしてバンドは The Cyrkle と命名された。
彼らは1966年の「Red Rubber Ball」と「Turn Down Day」のヒットで知られていて、「Red Rubber Ball」はThe Cyrkle の中心人物である Tom Dawes が1966年に Simon & Garfunkel のツアーにベーシストとして参加していて、その時に Paul Simon から「Red Rubber Ball」ほか1曲を提供してもらったそうだ。この曲は全米2位のヒットを飛ばし、次のシングル「Turn Down Day」がヒットした後は鳴かず飛ばず状態となり、1968年にバンドは解散するまでにアルバム2枚とシングル9枚をリリース。
ほかに実質上幻の3rdアルバムと呼ばれている、B級ポルノ映画「The Minx」のサウンドトラックがあるそうです。いずれも近年リイシューされてCDで聴けるそうです。
※Max Steiner(マックス・スタイナー)
1988年ウィーン生まれ。
渡米後にミュージカルの仕事を経て1929年より1960年頃まで「風と共に去りぬ」、「別離」「カサブランカ」ほかたくさんのが映画音楽を手がける。その間アカデミー作曲賞を何度か受賞し、多数ノミネートされる。
「夏の日の恋/Theme from A Summer Place」は1959年公開(日本は翌年)映画「避暑地の出来事」の主題歌。パーシー・フェイスによって編曲されて、パーシー・フェイス楽団(The Percy Faith Orchestra)の演奏で全米ヒット・チャート第1位となった。
※Percy Faith(パーシー・フェイス)
1908年4月7日カナダのトロントで生まれ。
1940年にアメリカ進出後、指揮者としてラジオ番組で人気得て、1950年にはコロムビア・レコードへ入社。トニー・ベネット、ローズマリー・クルーニードリス・デイ・ジョニー・マティスといた歌手の編曲、伴奏指揮に当たった。1953年にはパーシー・フェイスオーケストラの「ムーラン・ルージュの歌」が大ヒットし、ミリオン・セラーを記録。
1955年には「情欲の悪魔」のスコアを担当し、アカデミー・ミュージカル音楽賞にノミネートされた。他にも、「彼女は億万長者」(1964年)、「第三の日」(1965年)、「オスカー」(1966年)など映画のスコアを手がける。
1976年2月9日にロサンゼルスでガンのため死去。
※Michel Magne (ミシェル・マーニュ)
フランス人作曲家で、「地下室のメロディー」(1963)なんかの映画音楽で有名だそうです。
「Do You Want Marry Me」はブリジット・バルドー主演で1966年の映画「セシルの歓び A Coeur Joie (two Weeks In September)」のサントラの挿入歌でディスコのシーンで流れる曲だそうです。
監督はセルジュ・ブールギニョン(SERGE BOURGUIGNON)で、DVDも発売中です。
1962年に「ジゴ」でアカデミー賞の音楽(編曲賞)にノミネート。
1984年12月に自殺により他界したそうです。
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