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「飯野賢治〜ENO@HOME」1999年10月23日 26時〜27時 TOKYO FM by BOLEROさん |
※このテキストはBOLEROさんのご厚意により、転載させていただきました。ありあがとうございました。
放送中に流れた曲:
Post re up [0:40] 作詞: 高橋幸宏
作曲:THE BEATNIKS
世界中が I love you 〜everyone says
I love you〜 [5:12]
作詞・作曲・編曲:高橋幸宏
今日の永遠 [4:18] 作詞:高橋幸宏
作曲・編曲:砂原良徳・高橋幸宏
'00 [6:11] 作詞:高野寛
作曲・編曲:高橋幸宏・高野寛
Re Up [4:28] 作詞: 鈴木慶一
作曲:THE
BEATNIKS
風につづく道 [5:28] 作詞:森脇松平
作曲・編曲:高橋幸宏
<LIVING ROOM>
飯野:番組は2回目ですか?
高橋幸宏(以下高橋):はい。
飯野:97年9月だから、あ、もう2年前ですか。
高橋:うん。
飯野:2年間僕はDの食卓2を作っているっていうことですね?
板谷:そういうことですか?
高橋:え、ずいぶん長いですね(^_^;)
飯野:今凹んじゃいますから(^_^;)
板谷:そうそう、凹んじゃうんですよ(笑)
飯野:自分で振っておいて失敗したなって(笑) 丁度幸宏さんが来られたときに、始まってさぁどうしようかなって。こんなになるとはね(^_^;)
板谷:うん、こんなになるとはね(^_^;) そう考えたらできるかも。
高橋:またトゲのあること言わなきゃいいけど(^_^;)
板谷:(笑)
飯野:今日はなんか痛いなぁ(^_^;) 「チクチク同盟」!? ウニクラブって感じですか?
板谷:うるさい(笑)
高橋:ようするに、このままじゃできないぞ?みたいな・・・
飯野:(笑)
板谷:いや、もう大丈夫らしいんですよ、今日話聞いたら。
飯野:そんな強い目線で訴えないで(^_^;)
高橋:顔見てると大丈夫そうですよね。
板谷:ねぇ。
高橋:って大丈夫な顔をよく分かっていないんだけど(笑)
板谷:(笑)
飯野:僕大丈夫な顔していないとメンバーは心配しますからね。
高橋:僕なんかいつも大丈夫な顔してないから(^_^;)
飯野:(笑) 周りは心配しませんか?
高橋:僕が元気だと心配する。
飯野:(笑)
板谷:そうなんですか?逆に??
高橋:「幸宏さんどうっすか?」って聞かれて「いや調子悪いよ」って言ってるとみんな安心するみたいな・・・
飯野:調子いいと?
高橋:「俺メッチャクチャ元気だよ」とか言うと変じゃないですか。幸宏さんちょっとヤバイかもしれない、とか言われる(^_^;)
飯野:タンポポが3メートルぐらいになっちゃった感じじゃないですか? このタンポポ大丈夫か!?みたいな(笑)
高橋:そうそう(笑)
飯野:どうも飯野賢治です。
板谷:板谷由夏です。
飯野:ナイトワープeno@homeの時間がやってまいりました
板谷:今夜も宇宙に浮かぶ飯野さん家からの放送です。
飯野:この番組はeno@homeということでいろんなゲストに遊びに来てもらっているんですけれども。今週は?
板谷:今週はですね、10月20日にニューアルバム「The Dearest Fool」がリリースされた高橋幸宏さんが遊びに来てくれました。
飯野:こんばんは。
高橋:こんばんは。なんか高橋幸宏さんって恥かしくないですか?
飯野:高橋幸宏さんです!
板谷:です!!(笑)
飯野&高橋:(笑)
板谷:なんでですか?
高橋:昨日も会ってたじゃないですか?(笑)
飯野:昨日も飲んでた!?
高橋:知り合いのデザイナーがショップをオープンしたんで、そのパーティに一緒に、
板谷:いたんですよね。
飯野:酔っ払いました?
板谷:あたしは酔ってないですよ。
高橋:酔ってないですね。
板谷:あたしは幸宏さんに酔っぱらい見せたことないですもん。
飯野:ひどいですよ〜
板谷:ないですよね?
高橋:はい、ないですね。
飯野:ひどい〜
板谷:ちゃうちゃう。本当にあんまり酔っ払わないほうなんで。
飯野:えぇ!?
高橋:由夏ちゃんが酔っ払っているところは見たことないけど、僕は酔うね。
飯野&板谷:(笑)
高橋:必ず空白の期間があるよね。
板谷:そうそう(笑)
飯野:今回の「The Dearest Fool」は僕聴きましたけど、テクノですね?
高橋:割と、ナマモノ禁止なんで。
飯野:あ、ナマモノ禁止なんですか?
板谷:打ちこみなんですね。
飯野:僕、ラジカセでね、今テンパッてるんで、CDも自分じゃ買いに行けないんで、レコード会社の人が送ってくれる盤をそればっか聴いちゃうんですよ。いっぱい送ってくれるレコード会社のレコードをいっぱい聴くことになっちゃうんですけどね。幸宏さんのが届いて、すぐ聴いて、ちょっとラジカセがあったので、もちろん音がいいんですけどね、かけながら聴こうと思って、
高橋:あ、これじゃいけないって?
飯野:そしたら出音がきたんで、
高橋:出音(笑)
飯野:出音でドンッときたんで、これじゃいけないなと思って、ながらじゃ聴けないなと思って、ちょっと部屋を移動してソファーに座って聴いていたら、みんなが怒りましたね。
板谷:仕事をしろ!と(笑)
高橋:今はそれどころじゃないと(笑)
飯野:今は誰かの新譜を聴いている場合じゃないっていうのはわかっているんですけど、僕全然情報知らなかったんで、まさかこうくるとは、と、思いまして。驚きました。
板谷:(笑)
高橋:な、感想文!?今感想文でまとまっちゃったよ(笑)
板谷:今日なんか飯野さん違うなぁ。
飯野:そう? でもいろんな方参加されていますね?
高橋:基本的にコラボレーションなんですよ。
飯野:そういう風に考えたらいいんだ。BEATNIKSも2曲?
高橋:うん、2曲。
飯野:全然会ってないなぁ。元気かなぁ。
高橋:この間会ったけど、元気だったよ。この間飲み屋で会ったのね。そしたら「幸宏、これちょっと欲しいなぁ。あ、幸宏これハゲうつらないね?」って。
飯野&板谷:(笑)
高橋:うつらねーよ。子供みたいに思ったことそのまま言うなよって(笑)
飯野:思ったこというよね、あの人(笑)
高橋:そうそう(笑)
飯野:そんなわけで今日は幸宏さんのニューアルバムからいっぱいお送りして、
板谷:今についても、
飯野:語り合おうと思います。今夜も1時間ゆっくり楽しんでください。
板谷:ナイトワープ!
Post re up [0:40] 作詞: 高橋幸宏 作曲:THE BEATNIKS
Welcome to Night Warp eno@home...
CM
<LIVING ROOM>
板谷:今夜のナイトワープeno@homeには10月20日にニューアルバムアルバム「The Dearest Fool」がリリースされた高橋幸宏さんをお迎えしています。
飯野:板谷は聴きましたか?
板谷:聴きましたよ、もちろん。私幸宏さん家で聴かせてもらったもん。
飯野&高橋:(笑)
高橋:酔っ払ってて覚えていないんだけど。
板谷:え!?
高橋:ちゃうちゃうちゃう。ちゃんと覚えていますよ。今度感想文にして提出してください。
板谷:はい。
高橋:400字詰めで5枚ぐらいで(笑)
飯野:どうですか?板谷的に。
板谷:私は1曲目
「世界中が I love you 〜everyone says I love you〜」が一番好きなんですけど。和田純子ちゃんの声もすごい好きだし、最初のドラムンベースの感じもすっごい好きだし、っていうか、結構、
高橋:じゃ、その曲だけ?
飯野:(笑)
板谷:違う違う。
飯野:((爆笑) 今日なんかトゲトゲしいな、みんな(笑)
板谷:そんな言い方しなくてもいいじゃない。
飯野:「世界中が I love you 〜everyone says I love you〜」です。どうぞ。
世界中が I love you 〜everyone says I love you〜 [5:12]
作詞・作曲・編曲:高橋幸宏
飯野:いい曲聴くと元気になりますね。
板谷:ね? これウディ・アレンの「世界中がI love you」っていう話を聞いたんですけど。
高橋:うん、タイトルだけね。
飯野:(^_^;)
板谷:幸宏さんは、「I love you」っていう時はどんな時ですか?
高橋:「I love you」って言わないですね。
板谷:(笑)
高橋:ただ、歌だと言えるから、便利。
飯野:いや、まさに。何かのメディアを使っていらっしゃる方はみんなそうですよね。小説の人も、ゲームの人も、漫画の人も。
高橋:うん。
板谷:でも「世界中が」っていうのは、私ウディ・アレンの映画借りたのは、
高橋:「が」が好き?
板谷:「世界中が」の「が」っていうのが好きで借りたんですけど。
飯野:「が」が好きなんだ。
板谷:「が」が好きっていうか、何て言ったらいいんだろう。
高橋:だって文法的に言うと、「世界中がI love you」って変だよね。
飯野:そうですよね。
高橋:そこの感じが、
板谷:そう、好きだった。
高橋:タイトルが「The Dearest Fool」ですからね。
板谷:そうですね。
高橋:慶一(鈴木慶一さん)がね、「バカ仲間っていうタイトルはどう?」って。
飯野&板谷:(爆笑)
高橋:いいねいいねいいね。「バカ仲間」って語路が「バナナラマ」みたいじゃん?って(笑)
飯野&板谷:(爆笑)
高橋:それ何も考えてないだろ?って。
飯野:さすが慶一さん、他人のことには気楽にアイデアを出せますね(笑)
高橋:それでもっとも愛すべきバカな仲間達っていう。それでコラボレーションしてるし、2000年に向かってそういうレコードを気楽に作りたいなっていうコンセプトだったんですよね。
板谷:じゃ、参加したミュージシャンっていうのは普段の、
高橋:バカ仲間(笑)
板谷:(笑)で、きがねなく。
高橋:向こうはそう思っていないかもしれないけどね(笑)
飯野:じゃーここにクレジットされた人はバカ仲間に認定されているんですね?
高橋:そうそう(笑)
飯野&板谷:(笑)
高橋:まりんとか高野君までバカ仲間だし(笑)
飯野:(笑)
板谷:それは向こうにとっては、もう、まりんとかはYMOでうわっってなっちゃうから。
高橋:でも面白かったですよ。まずまりんからできてくる音が全部YMOの音でサンプリングしているのね。
飯野:(笑)
高橋:ドラムも僕の音になってたりとか、これは「中国女(YMOの曲)」のある部分だとか、これは「U.T.(YMOの曲)」のパーカッションだとかね。それであとどんなの入れたい?って言うと、「PURE JAM」みたいなフワフワしたの入れたいんですけど、なんで作るんですか?」って言うんで、「あれプロフェット5(シンセサイザーの名前)だから作ってあげようか?」って言ってスタジオで作ると、「あーこれこれこれ!俺こういう音聴くとずっとそれだけでよくなっちゃうんですよ」って。
飯野&板谷:(笑)
板谷:そうか。バカ仲間っていいですね。
高橋:今僕のコンシピオレコードの新人達の森脇松平君や和田純子ちゃんとか、その辺ですね。ジャケットは常盤響君。っていうことは常盤君もバカ仲間なのかも(笑)
板谷:(笑) バカ仲間なのかなぁ。
高橋:入れてあげようかな?
板谷:あ、入れてあげよう的なものがあるんですか?
高橋:いやいや、一応ね、面接しないと。
板谷:面接(笑)
飯野:FOOLはFOOLなりのプライドが(笑)
高橋:愛されるFOOLじゃなくちゃいけないの(笑)
飯野:なるほど。
板谷:愛されて愛してもらわないとダメですもんね。
高橋:そうですね。
飯野:(笑)
高橋:だって、ただのバカはいっぱいいるじゃない?
板谷:ただのバカっていうのも愛しいけど、
高橋:それも愛しいね。
板谷:愛して愛されないと。
飯野:バカはやっぱり孤独だといいんじゃないですかね。「FOOL ON THE HILL(ビートルズの曲)」な感じだといいけど、「FOOL達」だと嫌でしょう?集団のFOOLっていうのは。
板谷:そうね。集団のFOOLはやだね。1人のFOOLとして、
飯野:寂しそうだから声かけてあげようかなっていう。
高橋:最初ね、アルバムのタイトルは「FOOLON THE EARTH」にしうようと思ったのね。
飯野:いいですね。
板谷:そういう人達と新しいことをどんどんしていこうっていうことなの?
高橋:それもありますね。来る人たちも切り捨てることはないだろうし。ただいなくなっちゃう人がたまにでてきますね。
飯野:いろんな理由で。
高橋:うん、いろんな理由で。
板谷:幸宏さんが愛すべきというか、最愛なバカっていうか、仲間って感じるときって、どういう時に愛しいなとかOK!って感じるんですか?
高橋:この愛しさが重要ですよね。それは独特な、さっき飯野君が言ったみたいな、孤独感とかさ、疎外感とかさ、孤立無援とかさ(^_^;)
飯野:孤立無援?古今奮闘??
板谷:(笑)
高橋:そんな、感じの男の子にも感じますよ。
飯野:うん。
高橋:君は1人じゃないんだよって言いたくなっちゃう子っているじゃないですか。
板谷:あー、
高橋:嫌な奴は嫌だけどね。
板谷:うん。
高橋:嫌な奴でもないのに、妙にストイックになっちゃってる人とか。
板谷:そうすると一緒に何かやりたいねって?
高橋:一緒にやったり、遊んだり、何でもいいんですけど。
板谷:ふぅん。
高橋:何か傷つきやすい人の方がいいですね。男でも女でも。
板谷:傷つきやすい人ね。
飯野:それでは、愛しい仲間達と作った曲を紹介してください。
高橋:何がいいですかね。
飯野:どれでも。
高橋:由夏ちゃん選んでいいよ。
板谷:本当に!?本当ですか??
高橋:うん。
板谷:なら選んじゃいますよ。私はですね、
飯野:「世界中が I love you 〜everyone says I love you〜」って、もう聴いたよ!(笑)
板谷:もう聴いたよ(笑) 私ね、「今日の永遠」っていう言葉がすっごい好きなんですよ。
高橋:まりんの曲ですね。俺と一緒に作ったんだ。
板谷:今日の永遠って、なんかすごくないですか? 是非今日の永遠を聴かせてください。
高橋:どうぞ。
今日の永遠 [4:18] 作詞:高橋幸宏
作曲・編曲:砂原良徳・高橋幸宏
板谷:これ私この間ベランダで1人で聴いていて、
飯野:お!いいこと言うね。
板谷:ホントに。
飯野:そんな感じだもんね。夜?
板谷:うん、夜。1人でベランダで椅子だして、東横線(東急東横線)が通る感じをじっと見てて、
飯野:東横線だ(笑)
高橋:月はのぼってました?
板谷:あのね、ほっそぉおおい月だったんですよ。一番好きな月なんですけど、細い眉毛みたいなの。
飯野&高橋:(笑)
飯野:なんか、変わった例えだねぇ、ずいぶん現代的な(笑)
板谷:(笑) いや、ホントに。それでその時、歌詞もすごく好きなんですけど、浮遊感?
飯野:サウンドのね。
板谷:うん。浮遊感といい、なんかね、幸宏さん歌詞ってどういう時に作ったんですか?
高橋:これ・・・なんとなく(^_^;)
板谷:なんかこうすごく浮かぶんだけど。
高橋:あの、「時代は変わる」っていう曲があるじゃないですか?
そのタイトルからイメージが湧いて、そのタイトルが「The time there are changing」
板谷:うん。
高橋:ようするに時代は変わっていくけど、僕の日常生活は何も変わらないんだなっていう。
飯野:バカは周りとか時代に合わせないですよね。
高橋:うん。
飯野:そこが美しさ。
高橋:だから、言葉として「そしてバカだけが残った」っていうね、イメージなんですよね。
飯野:なるほどなるほど。
板谷:「そしてバカだけが残った」
飯野:「そしてバカだけが残った」っていいですね。
板谷:うん。
高橋:つまりさ、時代は移り変わるじゃないですか。でも今日は少なくとも僕にとっては変わらない今の瞬間があるわけで、それが僕にとっての永遠っていう。
板谷:うん。
飯野:まさに瞬間が永遠ですよね。瞬間に広がっている宇宙ですからね。
高橋:なんか、フリーズされたみたいにあるじゃないですか。
板谷:あ、うんうん。なんとなくわかった。
飯野:時間という単位でみちゃうとね。
板谷:時間じゃないよね。
飯野:確かに僕らは細胞が滅びていったりとかさ、テロメア(この長さで細胞の寿命が分かるのだ)が短くなったりするからさ、確かに時間というのはあるんですけどね。だけども、体感しているものは違いますからね。その瞬間に過去とか未来とかは感じられないし。
板谷:うん、その時
飯野:その時ね。そういえば僕も気にしないほうかな、と思ったんですけど1999年が終りに近づいてきたらちょっとは気にしますね。
高橋:ね。
飯野:なんだかんだ言って(笑)
高橋:するする。80年ごろ、YMOがヒットした頃って世紀末の不安感ってよくでてきましたね。
飯野:でてきましたね。
高橋:やっぱりノストラダムスとかも流行ったし。世紀末にはそういう不安感っていうのは人間あるよね、みたいな話がでて、しばらくなかったのね。ここ2、3年また言われるようになって。ね、あるよね。
板谷:うん。独特な感じがくるっていう。
飯野:2000年になったら気持ちいいんだろうなぁっと思いますけどね。
板谷:何かやらなければいけないっていうのは今だっていう感じとは違うの?
高橋:それとも違う。
飯野:そんなに焦りはない、
高橋:うん。
板谷:そういうこととはまた違うの?
高橋:このままずっと続いていくのは分かっているんだけど、ただ、何かが変わるのかなっていう気がするんだよね。
飯野:うん。ただ葉っぱが紅葉しただけでもうれしいじゃないですか。
高橋:そうそうそう。
飯野:それと同じで、久しぶりに満月とかそういうものじゃない。
高橋:うん。
板谷:うん。
飯野:日食が見れるとかさ、流れ星が見れるとか。
板谷:気持ちいいね。
高橋:あと年号がサインとかするときに、「99」って書くじゃない?それを、
飯野:あ!「00(ゼロゼロ)」って書くんだ!!
板谷:「00」だ!
高橋:それカッコイイ。
飯野:と、いうわけで曲に。
高橋:(笑)
板谷:「00」って書くんですね。
高橋:「00」って曲はそのタイトルだったんですよね。
板谷:じゃ、その曲を。
飯野:高野寛さんと作った曲ですね。「00」という曲で。
高橋:はい。
飯野:「00」どうぞ。
'00 [6:11] 作詞:高野寛
作曲・編曲:高橋幸宏・高野寛
飯野:なんか動物っぽくなってます?
高橋:動物っぽく!??
板谷:動物っぽい?
飯野:なんか動物っぽいな、って思って。
板谷:例えば?
飯野:イメージすると動物が出てくるんですよ。
高橋:へぇ、いいな。
板谷:うん。ポジティブですよね。
飯野:動物って勝手だし、生理的だし、いいじゃないですか。すごく好きなんですよね、そういうイメージ。
高橋:うん。
飯野:動物園の動物はちょっと可愛そうだけど。
板谷:うん。
飯野:どんな動物でも道端で見ても、それはねずみだろうがなんだろうが、いいなと思うんですけど、そういう感じがしたんで。
板谷:動物が出てくるっていいね。素敵。
高橋:高野君が言いたかったのは、さっきまで話していたことまったくそのままだと思うのね。だから、世の中が相変わらず動いていって、この瞬間の連続がずっと続いていくだけ。でもポジティブでもネガティブでもなく、ただ受け止めていく、っていう。なんか、夜明け感みたいなのがテーマになっていて、ドーン(DAWN)な感じ。
飯野:なるほど。YMOの以心電信っていう曲があって、あの頃っていうのは照れ感もありながら、ふざけ感もありながら、あーいう歌詞を書いたと思うんですけど、それを今真っ正直に言える感じじゃないですか。
高橋:うん。
飯野:それがすごくいいなって思いましたけど。
高橋:あの頃もありましたよね。あの頃「ボク、大丈夫」っていうアルバムを出した時に、「僕大丈夫」って言わないと、かなりへこたれていたんですよね。落ち込んでいたっていうのでもないんだけど。
板谷:ちょっとやられている感じ?
高橋:うん、やられている感じ。細野さん(細野晴臣)が言っていたんだけど、人間はみんながネガティブな感じを持っていると、そっちの方にドッと向かって行っちゃうから、ポジティブに。無理をしてでもポジティブになろう!という、感じは今回もある、多少は。
板谷:うん。
(バックにYMOらしき曲が流れる 再生地点34分40秒)
分かる方がいたら教えてくださいm(__)m
高橋:なんかタイムリーだったんですよね。YMOのベスト版が出たりして。知らなかったんだけど、このアルバムを作っている時は。
板谷:知らなかったんですか?
高橋:作っている時は知らなかった。で、できあがりの頃に、細野さんがリマスタリングしてる噂があって、楽しみだなぁって。でも細野さんがやりっこないよって(笑)
飯野:(笑)
高橋:そしたらちゃんと真面目にやっていましたね。最近すごい元気で。
飯野:サンフランシスコでやっていたんですか?
高橋:リマスタリング?
飯野:ニューヨーク?東京??
高橋:こっちで。
飯野:へぇ。
板谷:私はなんかもう、リミックス出るっていう噂を聞いたり、幸宏さんのが出るって聞いたり、ベストがでたり、ってみんなちゃんと考えてっていうか、一斉になのかなぁっていうのがあったんですけど。ビデオがでたりして。
飯野:そうだ、多いよね。僕は忙しかったんで。忙しいとさ、突然そういうのが来るから嬉しいよね。ちょっと時間があると、雑誌とかで読んでるから、いつっていうのが分かるんだけど、忙しいとちょっと忘れているから、
板谷:それがポンッてでてくるよね。
飯野:そう!突然ね。今回YMOのベストがきたときに、東芝EMIに僕知ってる人がいて、彼がイエローサブまりん(ビートルズのアレですな)と一緒に2枚持ってきて、「おお!今日はすごいハッピーだなぁ」って(笑)1回ぐらい休もうかなぁって。すごい嬉しかった。
高橋:あれ結構品切れおこしたりしてるけど、どういう人が買うんですかね。第4世代の終わり頃?
飯野:いや、メインはやっぱり目の前に座っている、(笑)
高橋:第1世代?
飯野:ええ、こんな感じじゃないですか。
板谷:え!?飯野さん達が第1世代?
高橋:そうでしょう。
飯野:第1世代・・・いや、
高橋:原体験じゃないの?
飯野:いやいや、僕はモロです。でも、普通はないですよ、この歳で。
板谷:だって小学校6年生、
飯野:僕小学校3年ぐらいの時ですもん。
板谷:あ、3年?
飯野:あの、「ファイアクラッカー」 わ!びっくり!!みたいな。
板谷:でも小学校3年でYMO聴いて、「おお!」って言ってたのは、
飯野:いない。小学校6年生までいなかったですね。一人でですね。
高橋:じゃー、本当は第2世代ですね?
飯野:本当はそうですね。
高橋:でも第1に入っちゃってたんだね。
飯野:第1に入っちゃったのと、入っちゃうと友達のお姉ちゃんと仲良くなれるんですよ。
高橋:(爆笑)
飯野:結構ね、嬉しかった(笑)
高橋:メリットあったんだ(笑)
飯野:すごくありましたね。まぁ、いい思い出もありましたし。ほら、小学生が全部が全部買えないじゃないですか。
高橋:買えないよね。
飯野:YMOに限らず、グループの場合は複数ですから。その複数の人達がソロをだしたり、関連するアルバムがでるんで、買いようがないんですね、全部。何を落とすかっていう感じになるんですよ。これは本当に失礼ですけれども。それに関しては誰かにダビングしてもらわないと、聴きようがないんで。
板谷:それは年上の人が持っていると。
飯野:うん、大体YMOを聴いている中学生3年生のおねーちゃんとかがいい感じなんですよ。
高橋:(笑)友達のお兄ちゃんじゃダメなんだよね。
飯野:お兄ちゃんじゃ遊びにいかないですもんね(笑)わざわざお姉ちゃんが聴いている人を探して、
高橋:不純だ〜
板谷:うん、不純。まりんさんがここに来てくれた時は飯野さんと2人でYMOの話1時間でした。
高橋&飯野:(笑)
飯野:やめとけっていうのにね(笑)
高橋:自分の話は?
板谷:なかなか自分のアルバムの話までにはいかず、「だよね、あの時使っていたのはアレだよね??」ってそういう話(笑)
飯野:しかもお互い意地の張り合いでね(笑)、どっちが詳しいか、って。どうでもいいのに(笑)
高橋:(爆笑)
板谷:それ違うんじゃない?みたいなそういう話。
飯野:「あの時のステージはちょっと怖はずだと思う。あの時の一番上にはこれがあったから、横にはこれがあって・・・」とかいう話だもん(笑)
板谷:そうそう。
高橋:まりんそういうところあるよね。
飯野:それで僕が訴えたいのは、
板谷:リミックス。
飯野:YMOのリミックスが11月3日に出ます。それで僕が訴えたいのは、
板谷:どうして僕にやらせてくれないのか?っていうのが訴えたいことなんですよね?
高橋:あ、そうだ。訴えてください。
板谷:(笑)
飯野:これは・・・僕がトップですよ。
板谷:お!
飯野:YMOのリミックスをさせたら。と全員が言っていると思いますけどね(^_^;) そうじゃないとYMOはリミックスをしない方がいいと思うってみんな。
高橋:でもこれやたら豪華ですよね。小西君(小西康陽)とかテイ・トーワとか、ケン・イシイさんとか、まりんもやっているし。
飯野:幸宏さんにとってYMOとは?
高橋:先日細野さんとお会いした時にですね、番組だったんですけどね、細野さんが「幸宏、YMO好き?」って。
板谷:聞いてましたね。
高橋:「いや、嫌いじゃないよ」って言ったら、細野さんが「僕も。嫌いじゃないんだけどね」って。
飯野:そういえばそんな感じしますね。
高橋:「YMOにひどいことされたことある?」って言うから、「ちょっとあるかなぁ、在籍中は。今は別に好きです」って。
飯野:僕はすばらしいと思いますよ。僕は学んだことが多いもんなぁ。なんだかんだ言ってそこですね。よく考えたら、僕打ちこみでリズムパターンを覚えているのは幸宏さんの曲を聴いて、こうやって打つもんだと、聞えないところに「ンタッ!」って付点8分が小さく打ってあるとかさ、そういうので覚えたんですから。それは当たり前なんですけどね。
高橋:なるほど。
飯野:でもあれが育てた人っていうのは、曲っていうんじゃないんですけどね。例えば生き方とかね、アーティストとしてのだし方とか、アーティスティックなビジネスだったりとか、人生だったりとか、集合体みたいなの分け方とか、そういうのにすごく・・・
高橋&板谷:(笑)
高橋:YMOに弱いねぇ。
板谷:YMOデレデレだもん(笑)
飯野:だってね、今だに聴いていますからね。
高橋:(笑)
板谷:しゃべりだしたらキリがないですから。
飯野:1ヶ月以内でPURE JAMを聴かない月はないですよ。
板谷:(笑) 本当にキリがないです(^_^;)
飯野:はい、すみません。
高橋:(笑)
飯野:僕思い出しました。
高橋:はい。
飯野:僕訴えたいことがあるんですけど、
板谷:ちょっと涙目だよ。
飯野:9年ぐらい前ですかね。
高橋:はい。
飯野:幸宏さんの曲を聴きすぎて、うつ病になったことがあるんですよ。
高橋&板谷:(爆笑)
飯野:それを久々にお会いしてそれを訴えます。
高橋:すみませんでした(^_^;)
飯野:あの時ね、「EGO」と「Broadcast From Heaven」かなぁ。その時心の隙間があったんでしょうね。
高橋:傷口に塩を塗られた?
飯野:そうそう。それでやけに聴いちゃったんですよ、丸1日。今だに覚えていますね。本当にね、こういう風になるんだと思いましたね(うつ病)
板谷:わかったんだ。
飯野:初めてじゃないですかね、人生でうつ病になったの。でも手におえなくなっちゃうと、本当に困っちゃいますよね、精神状態が。笑えないんだもん、その時は(^_^;)
高橋:うん。
飯野:ちょっと過ぎれば言えるんですけどねぇ。その時僕は渦の中だから、
板谷:自分の力じゃどうしようもできないもんね。
飯野:うん、確認はできるんだけど、自分の中のホライゾン少しずつこうね、
高橋:あぁ、わかる、それ。
飯野:あれ?俺どうしようかな!?って(笑) このままこうなっていたらどうなるのかな!?って。
板谷:戻さなきゃって。
飯野:必死で戻しますよ。
高橋:僕神経症体質ですから、元々手におえなくなることしょっちゅうで、でも基本的に手におえるようにしようと。それだけですね。
飯野:なるほど。
高橋:だから、それはおんなじ。いつもホライゾンがこう、
板谷:ずれてる?(笑)
高橋:あ、「EGO」か!?
飯野:そう!あれのとき僕は苦しんでできたんだろうなぁっていう。
高橋:今痛いんだろうなぁぐらいのね(^_^;) もうね、本当に辛かったです、あのアルバムの時は。あれね、7ヶ月かかったんです。試行錯誤で。お金も使いまくり!
飯野:(笑)
高橋:あれはもうね。あの時自分のポジションにも疑問があった時期で、なんかね、試行錯誤でしたね。
板谷:じゃー一番きつかった?
高橋:きつかった。今聴くと別にね、平気だけど。一時期聴けなかったですね。っていうか、思い出すも何も、痛いの。アルバムが。
板谷:痛いんだ?それを感じたんだ、飯野さんは。
高橋:そこからね、僕がなんとか抜け出たのはね、その後の3部作をね、この痛みを全部恋愛か、幸福感か、とかそういうものに置き換えちゃおうと思ったのね。
飯野:なるほどなるほど。
高橋:だから恋愛の痛さみたいなものだったら、分かりやすいし。本当に痛い痛いって歌えるし、漠然とした痛みって人に訴えても迷惑じゃないですか、聴く側は。
飯野:あのアルバム、どの曲をとっても出口のない痛みですよね。
高橋:うん。あれアレンジとかは時間かけただけあってよくできているんだよね。
飯野:ええ、いいっすよ、ホント。
高橋:だけど、テーマがね、とにかくね、
飯野&板谷:(笑)
高橋:カルデサック(袋小路という意味。語源はCal-de-sac)なんですよ。
板谷:そこからは抜けたんですね。
高橋:そこから抜けたのは、その後の「Broadcast From Heaven」と、あとやっぱりケイちゃん(鈴木慶一)大きかった。
飯野:うん。
高橋:彼が書いてくれた恋愛の歌とかね。詩。それから、「A Day In The Next Life」でそれがまとまってきて、3作目の「LIFE TIME, HAPPY TIME〜幸福の調子〜」で、ほぼ完結したという。
板谷:そういうのが抜け出るのは鈴木慶一さんみたいなバカ仲間!?
高橋:そう!むしろ音楽を作ることでもう1回抜け出すしかなかったんだよね。
飯野:1曲いきましょう。
高橋:ちょっと痛いのでいいですか?
飯野:BEATNIKSですか?
高橋:うん。
飯野&板谷:(笑)
高橋:「Re Up」を。
飯野:では鈴木慶一さんとTHE BEATNIKSの「Re Up」です、どうぞ。
Re Up [4:28] 作詞: 鈴木慶一
作曲:THE BEATNIKS
Welcome to Night Warp eno@home...
CM
<GAME INFORMATION ROOM>
(バックにD2の曲。再生地点51分03秒)
飯野:え、なんと!
板谷:なんと!!
飯野:イベントをやります!!
板谷:やります!!
飯野:おまえは誰だ?
板谷:YES!
飯野:って感じなんですが(^_^;) 最近思うんだけど、僕って何者なんだろうって。
板谷:いいんじゃない?
飯野:そうっすか(^_^;) えっと、12月25日の夜24時開演ですが、まだわかりません、ちょっと早くなるかもしれませんが、えー、D2のパーティというのをですね、東京ベイNKホール、ディズニーランドの隣ですね。舞浜駅、に大々的にやります!
板谷:すごいよぉ、これは。
飯野:それでアーティストはMijk van Dijk、Andrea Parker、Ebizoo、Hardfloor、Toby、D.J. Spooky、Arto Lindasay、僕です。
板谷:豪華!
飯野:豪華っていうか、好きなもの集めただろう?って感じ(^_^;)
板谷:集めてみたけど豪華だなって。
飯野:この人達が一同に会することはないので。
板谷:うん。
飯野:しかも今回いろいろね、作戦練っているんですよ。
板谷:凝りますよ、飯野さんは。
飯野:でね、Mijkなんかはちょっとバカやってくれるとかいろいろ打ち合わせをしてくれているですよ。
飯野:D.J. SpookyとArto Lindasayはね、D.J.Spookyがターンテーブルを回して、Arto Lindasayどうするか?とかね。そういう日本じゃ結構見られないところもやって。Andrea Parkerも初来日ですしね。というわけで、結構面白いことをやるんで、D2パーティ。D2と何か関係があるのか?って、
板谷:来たら分かるはず。体感したらわかる。
飯野:そうですね。僕が一番楽しみですけどね。25日クリスマスですしね。12月の終で、記念すべき時にこういういい奴らのライブの音楽を聴いてね、爆音で、内臓を揺らしながら、聴くのも面白いんじゃないかと。かなりオススメします。
板谷:オススメオススメ
飯野:11月20日よりチケットぴあより発売予定ですので、是非ヨロシクお願いします。それとともに、12月上旬ぐらいのぴあに情報がでますので、お楽しみに。
<LIVING ROOM>
飯野:というわけで、全世界7局からのFMステーションを結んでお送りしてきましたナイトワープeno@home、そろそろお別れです。
板谷:今夜は高橋幸宏さんをお迎えしました。今年は、
飯野:ライブライブライブ!
板谷:ライブは来年ですね?
高橋:うん。来年早々にはやりたいんだけどね。
飯野:1月1日にやりましょうよ。
高橋:1月1日!?
飯野:僕は1月1日に聴きたいですね。やったぁ!って感じしますよ。
高橋:とにかくクラブっぽいところで、スタンディングで、打ちこみバリバリで、みんな立って、スイッチングをやるようなライブをやりたいですね。
板谷:楽しみですね。
飯野:でもグッドバイブは一緒ですからね。
板谷:うん、絶対いいバイブだと思う。プライベートは来月釣りに行くんですよね?
高橋:うん、来月。でもプライベートって言っても、TVのお仕事だから。
板谷:そっか。イシダイを釣りに行くんですよ。
飯野:東京鶴亀磯釣り会ってまだあるんですか?
高橋:一応あります。
飯野:あ、そうですか(^_^;)
高橋:あんまりみんな集まらないけどね。僕が最近川の方に転向しちゃったから。
飯野:あ、なるほど。
高橋:みんな怒ってますね。
飯野:あ、名前が磯釣りってつけちゃったからね。
板谷:あ、そうか。
高橋:でも久しぶりのイシダイ釣りをつって、
板谷:お兄様とですよね?
高橋:そうです。それで冬は温泉ですね、別荘で。
飯野:うん。
板谷:いいなぁ。
高橋:あと、小説を書かなきゃいけないのがかなりたまってまして、この年末は書かなきゃいけないですね。
板谷:温泉につかりつつ、魚食べて、
高橋:うん、ふぐを食べにいきたいですね。
飯野:ふぐおいしいよね。
板谷:いいですね。
高橋:飯野君も早く開放されて、
板谷:そうね(笑)
飯野:そう、リリース!
高橋:それでおいしいお酒。
飯野:本当だよねぇ。ホント、お酒も飲めないですから。
板谷:でもあともうちょっとなんですよね?あと1ヶ月ぐらいで開放される。
高橋:大丈夫!
飯野:「明日」という字は「明るい日」と!・・・書きます(^_^;)
高橋:はい。
板谷:(笑)
飯野:それではですね、最後にニューアルバム「The Dearest Fool」から「風につづく道」を聴いてお別れします。それではまた来週、飯野賢治でした。
板谷:板谷由夏でした。
飯野:そしてゲストは
高橋:高橋幸宏でした。
飯野&板谷&高橋:おやすみなさい
飯野:はぁ、もうちょっとだ・・・
高橋:がんばってね。
Welcome to Night Warp eno@home.
This program was casted by Tokyo FM.
風につづく道 [5:28] 作詞:森脇松平
作曲・編曲:高橋幸宏
終